Japanese
English
症例報告
小児へのバクロフェン髄腔内投与療法の効果
Effect of intrathecal baclofen in children.
三鴨 可奈子
1
,
杉浦 千登勢
1
,
近藤 章子
2
,
成田 綾
2
,
片桐 浩史
1
Kanako Mikamo
1
,
Chitose Sugiura
1
,
Akiko Kondo
2
,
Aya Narita
2
,
Hiroshi Katagiri
1
1鳥取県立総合療育センター
2鳥取大学医学部附属病院
1Tottori Prefectural Rehabilitation Center for Children with Disabilities
2Tottori University Hospital
キーワード:
バクロフェン髄腔内投与療法(ITB療法)
,
小児
,
痙縮
,
姿勢反射
,
運動機能改善
Keyword:
バクロフェン髄腔内投与療法(ITB療法)
,
小児
,
痙縮
,
姿勢反射
,
運動機能改善
pp.1015-1020
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102598
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
本邦では2002年にバクロフェン髄腔内投与療法(intrathecal baclofen therapy;ITB療法)の臨床試験が開始され,2006年から本格的な取り組みが開始されている.当初,小児への認可は見送られていたが,2007年より適応が拡大され,小児への施行が進んでいる.
小児におけるITB療法の適応は脳性麻痺による痙縮が挙げられ,欧米では最も使用が多い1).ポンプ埋め込みにあたっては,スクリーニングとしてバクロフェン単回髄腔内投与を行い,痙縮軽減の効果をAshworth評点を用いて評価する.このスクリーニングでその効果が確認され同意が得られた場合,埋め込み術が施行される.ITB療法の効果には痙縮以外にも疼痛やジストニアの改善,Stiff-person syndrome・破傷風による筋緊張亢進状態の改善が報告されており2),その適応の拡大が期待されている.
今回,スクリーニングとしてバクロフェン単回髄腔内投与を実施した小児の投与前後の機能評価や理学療法において,姿勢反射の獲得と運動機能改善効果を経験したので報告する.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.