Japanese
English
短報
外傷性不全頸髄損傷患者のリハビリテーション―訓練指標としてのYSS(Yale Scale Score)について
Rehabilitation for the Incomplete Traumatic Quadriplegia.
小林 一成
1
,
安保 雅博
1
,
杉本 淳
2
,
猪飼 哲夫
1
,
宮野 佐年
1
,
米本 恭三
1
Kazushige Kobayashi
1
,
Masahiro Abo
1
,
Atsushi Sugimoto
2
,
Tetsuo Ikai
1
,
Satoshi Miyano
1
,
Kyozo Yonemoto
1
1東京慈恵会医科大学リハビリテーション科
2東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, the Jikei University School of Medicine
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
YSS(Yale Scale Score)
,
不全頸髄損傷
,
訓練指標
Keyword:
YSS(Yale Scale Score)
,
不全頸髄損傷
,
訓練指標
pp.335-339
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107055
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はじめに
不全頸髄損傷患者のリハビリテーション・プログラムを進めるにあたってしばしば問題になることは,その機能回復の程度や速さが個々の症例により異なるため,最終機能ゴールの予測や見極めが困難となることである.このため,リハビリテーション訓練は各病院の経験に基づいて行われ,症例によっては必要な訓練が十分受けられずに治療が打ち切られたり,反対に不必要に長期間訓練が続けられたりすることがある.
不全頸髄損傷患者の予後予測についてはFrankelをはじめとしていくつかの研究が見られるが1~5),多くは後方視的研究のため,十分な機能評価に基づいておらず,個々の症例の詳細な機能障害評価に基づく機能予後予測はあまり見あたらない.そんな中でDaveratら6,7)により報告されたYale Scale Score(以下YSSと略)を用いた脊髄損傷患者の予後予測は,機能評価に基づいた前方視的研究に立ったものであり,注目に値すると思われる.
今回,我々は2例の不全頸髄損傷患者のリハビリテーション訓練を行い,その際,定期的にYSSを検査することが訓練指標として有用な方法と考えられたので報告する.
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