巻頭言
「徒然なるままに…」
中馬 孝容
1
1北海道大学大学院医学研究科リハビリテーション医学
pp.395
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109755
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今回,リハビリテーションに関する日々の所感を自由に書いてもよいとのこと.最近感じていることを,徒然なるままに述べさせていただきたいと思う.
私は卒後数年間,神経内科臨床医として勉強していた時期があった.私自身が学んだ大学にはリハビリテーション医学講座はなく,大学附属病院には中央部門としてリハビリテーション部が設置されていた.縁があり,およそ10年間リハビリテーション医学を学ぶ機会に恵まれ,「リハビリテーション医とは?」と自分なりに模索をしていた.そして,その結論は,神経内科の片手間にリハビリテーション医学ができるわけがないというしごく当たり前の結論である.リハビリテーション医学講座はすべての国公立系大学に設置されているわけではないので,医学生への教育,少なくともearly exposureはなされていない.これでは,いくら国家試験問題を改良しようが,医学生の頭の中ではリハビリテーション医学の概念があまりにも薄っぺらなものになってしまうのではと思う.リハビリテーションという言葉は日本中こんなにもあふれ,誰もが知っている言葉なのに,と思う.
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