リサクラブ
―TUR症候群の神経症状―麻酔科学の徒然草か?
足立 裕史
1,2
,
田中 克弘
2
,
小林 一彦
2
,
波多野 俊之
3
,
橋本 慎介
3
,
江嶋 正志
3
,
西脇 公俊
4
,
松田 直之
3
1名古屋大学医学部附属病院 救急部
2西尾市民病院 麻酔科
3名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野
4名古屋大学大学院医学系研究科 麻酔・蘇生医学
pp.1037-1039
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101958
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2013年2月号のリサクラブに掲載された経尿道的前立腺切除術(TUR-P)後の低ナトリウム血症の治療に関する議論1~3)は大変興味深いものでした。古くからある低ナトリウム血症の治療に関して,いまだに明快な結論が得られていないのは,麻酔科学界の不思議の一つかもしれません。
われわれの疑問の一つは,治療はともかく,そもそもTUR症候群の低ナトリウム血症で深刻な神経学的異常,致死的な痙攣などの症状が生じるか,です。寺井先生2),櫻井先生3)とも,「中枢神経症状を呈するなら急速に補正すべき」と結論していましたが,急性,慢性という時間的な問題のほかに,灌流液が急速に体内に投与される結果として生じた低ナトリウム血症で,危険と考えられるほどの中枢神経症状が生じる頻度はどのくらいなのでしょう?
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