Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「千と千尋の神隠し」―愛の自明性を取り戻す試み
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.967
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109608
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「一寸電話番をお願いしたいんだが…….」,「わかりました.では,受け応えのマニュアルを下さい.」(クソッ,たかだか電話番を頼むのにマニュアル作りに2時間もかけちまった.)
たとえばこのような会話に象徴されるのが今の時代なのだ.つまりは自明性のマニュアル化,とりもなおさずそこにあるのは自明性の崩壊である.そして,ついにというべきか親子は愛でつながっているという自明性も虐待問題を持ち出すまでもなく疑わしくなってきた.そのことを同じ時期に日米両巨頭,スピルバーグが「A.I.」で,宮崎駿が「千と千尋の神隠し」で描くことになったのだから親子の状況はやはり深刻なのだ.
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