連載 シリーズお産人探訪・10
寺島千尋さん—若い人が開業するなら,まず自宅出産から
藤原 美幸
pp.396-402
発行日 1996年5月25日
Published Date 1996/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901472
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東京・渋谷区幡ヶ谷の寺島さん宅を最初にお訪ねしたのは昨年末だった。「助産院はやめたから,どうしてもっていう方はすぐそこの嘱託医に紹介してるのよ。それでお産になったらわたしが取り上げるの。今日も,もう少ししたら呼ばれるから,時間があまりないわね」とおっしゃる。寺島さんは,7年前に昭和23年から続けていた助産院を閉鎖された。現在は,息子さんご夫婦と同居しているご自宅の1部屋が診察室になっている。陽当たりの良い部屋の壁際には診察台が置かれていた。その部屋の掘りごたつに入り,出産が始まるのを待ちながらお話しをうかがった。
また,自宅出産の立ち会いは続けておられ「昨年は20人くらいだったかな。これは世田谷区の助産婦と一緒にやっていて,妊娠中はその方がみているんです」ということだった。それに最近は,テレビや雑誌で「骨盤位が治せる助産婦さん」と紹介されることが多くなり,ほかの医療機関にかかっている妊婦さんから「骨盤位を治してほしい」という手紙などがたくさん届いている。
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