巻頭言
リハビリテーションと先端技術
岡島 康友
1
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
pp.899
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109326
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先日,「Tissue Engineering」と題する講演を聴く機会があった.遺伝子工学技術を使ってヒトの骨髄幹細胞から心筋や骨格筋を作って,それを心筋症や筋ジストロフィー患者の治療に用いようという話である.電気的に興奮性をもって収縮する筋細胞が得られ,実際に生体の筋組織に移植ができ,電磁場下できれいに整列し機能するのである.講演者は骨髄移植が筋ジストロフィーの治療になるかもしれないとも言っていた.遺伝子治療やヒト遺伝子配列解明などの話が,新聞紙上を賑わしている昨今であるが,リハビリテーションが関与する疾患にも近づいてきた感がある.脳卒中をはじめとする血管疾患の根治治療は20数世紀にと言われているが,もっと早くくるかもしれない.
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