Japanese
English
特集 リハビリテーションにおける治療法Update
褥瘡の保存的治療―薬物療法と閉鎖療法を中心に
Conservative Treatment for Pressure Ulcer: New Topical Agents and Occulusive Dressing Agents.
高橋 秀寿
1
,
関 勝
1
,
小川 真司
1
Hidetoshi Takahashi
1
,
Masaru Seki
1
,
Shinji Ogawa
1
1国立療養所村山病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Murayama National Hospital
キーワード:
褥瘡
,
デブリードマン
,
閉鎖療法
Keyword:
褥瘡
,
デブリードマン
,
閉鎖療法
pp.229-234
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109180
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はじめに
リハビリテーションを行ううえで,褥瘡の存在は,治療期間を延長させる大きな要因の一つとなっている.また,褥瘡は進行すると,骨髄炎から敗血症などの致死的な合併症に進展する恐れがある.
米国では年間100万人が褥瘡に罹患し,一人当たり2,000~30,000ドルのコストがかかっていると推定されている.したがって,年間合計約100億ドルのコストがかかっていることになる.
わが国でも,平成5年度で約90万人の寝たきり老人がおり,平成11年度には約120万人に達すると推定されている.わが国の褥瘡に関する全国的な疫学調査はないが,石川ら1),による群馬県下の調査によれば,入院または入所者の有病率は4.2%,訪問看護を利用している在宅患者の有病率は7.0%であった.
これに対して,厚生省では,平成9年度老人保健健康推進等事業において「褥瘡予防・治療指針策定のための研究」が行われ,褥瘡の疫学調査および予防.治療ガイドラインがまとめられた2).
今回,褥瘡治療の保存的療法について,この研究結果および最近の文献的考察をもとに解説する.
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