巻頭言
リハビリテーション処方と社会保険医療担当者の個別指導
西村 尚志
1
1信州大学医療技術短期大学部
pp.1097
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109113
- 有料閲覧
- 文献概要
この数年,保険診療について都道府県や厚生省が行う「指導」で,基本診療料(再診料)とリハビリテーション料の扱いが不適切であると指摘される事例が多発しているという噂を良く耳にする.いったん指導となれば,不適切な事項について1年分程度の診療報酬を保険者に自主返還することが求められるらしい.しかし自主返還は行政指導の建前であり,「監査」を前提にすれば実質的には強制返還である.病院経営上は大変な痛手であろう.
最近耳にした立ち入り指導では,病院管理者層への指導と並行して,行政側の一部による院内巡視が早々に行われたとのことである.リハビリテーション室など届出が必要な医療を行っている場所を院内巡視の一環として点検するようであり,設備・備品の点検に加えて診療の実状を現場の職員から聴取することも行われるらしい.程々の事前準備では院長が説明に困窮する事態が起こり得ることは想像に難くない.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.