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実習指導を担当して
松本 君代
1
1大阪府立白菊高等学校専攻科
pp.373
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906996
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看護教育の場での臨床実習は,学習の理論を実習すること,すなわち,知識を自己実現化し,体験学習として保存する場である.看護の対象は,人間であると言われているが,看護の専門職業人としての学習の大きなステップである臨床学習は,生(なま)の体験として重要である.指導者としては,その学習へのプログラムを学習者に適応できるものとして計画しなければならない.
このレポートは,高等学校衛生看護科卒業の衛生専攻科1年生時の臨床実習をレポートしたものである.1年生ではあるが3学期でもあり,看護教育を受けて4年目の最終学期である.彼女以前に他の生徒が,同ケースで身体的(狭義)ケアのみの医療処置を中心とした実習体験を,前期に学習している(臨床実習を前期・後期と2期にし,成人実習で内科系・外科系のローテーションをさせている).このケースの選択決定過程で,身体的ケアを中心とした技能習得を実習のポイントにする力を,より大きく伸ばすためにこのケースを継続させるべきか,私は迷った.彼女自身も心理的ケアを優位とし,身体的ケアの技能力の弱さを自覚していたため決断には迷ったことであろう.
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