Japanese
English
特集 運動の効果とその理論
運動の精神・心理に及ぼす影響
The Effects of One's Mentation and Psychology to the Exercises.
古川 俊明
1
,
石田 暉
2
Toshiaki Furukawa
1
,
Akira Ishida
2
1多摩丘陵病院リハビリテーション科
2東海大学医学部リハビリテーション学教室
1Department of Rehabilitation, Tama Kyuryo Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University, School of Medicine
キーワード:
運動療法
,
精神
,
心理
,
ストレス
,
パーキンソン病
Keyword:
運動療法
,
精神
,
心理
,
ストレス
,
パーキンソン病
pp.129-133
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108899
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はじめに
運動は不安やうつ状態の軽減に有効であると言われている.また,私達は自然のなかを散歩したり,秋の清々しい気候のなかで仲の良い友人や家族とスポーツに熱中するなど,運動をした後の幸福感や壮快感を理屈なしで知っている.運動時,血液中にβ-エンドルフィンが増加し,鎮痛作用,苦痛の軽減,多幸感が増すことも知られており,このような多幸感,恍惚感は長距離のランニングを行った後のランナーに見られ,“ランナーズ・ハイ”と言われている1,2).また,スポーツやレクリエーション療法などのように,有酸素運動によるストレスの軽減,娯楽,遊戯を通しての個人あるいは集団における社会性の回復など,運動が精神・心理に及ぼす影響は大きい.
運動の心理的効果に関しては,その運動の目的や内容(期間,強度,個人的,集団的など)により異なってくる.Slavson SRは欲求不満の解消としての効果,Jacobson Eはリラクゼーションの効果をあげ3),一方,精神科領域での作業療法を中心とするリハビリテーションの効果や他疾患に対する運動の効果も報告されている.また,運動は障害者スポーツ4,5)でみられるように生活の質(Quality of Life)を向上させる効果もある.
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