Japanese
English
短報
頸髄損傷者における運動負荷時の酸素摂取量と心拍数について
The Effect of Exercise on CR Response in Cervical Spinal Cord Injured Patients.
岡田 真明
1,2
,
飛松 好子
1
,
佐久間 肇
1
,
草野 修輔
1
Masaaki Okada
1,2
,
Yoshiko Tobimatsu
1
,
Hajime Sakuma
1
,
Shuusuke Kusano
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院
2国立療養所東京病院リハビリテーション科
1National Rehabilitation Center for the Disabled Hospital
キーワード:
頸髄損傷
,
酸素摂取量
,
心拍数
Keyword:
頸髄損傷
,
酸素摂取量
,
心拍数
pp.63-66
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108880
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
頸髄損傷者(以下,頸損者)には四肢麻痺,自律神経障害が伴う.また,肋間筋麻痺により肺活量は一般的に低い.このような頸損者に対するCR fitnessの測定では,運動負荷は上肢エルゴメーターで行われることが一般的であるが,上肢の麻痺のためかかる運動負荷は少なく1),CR fitnessの測定には困難を伴う.また,自律神経障害のため,負荷に対するCRの応答は健常者とは異なると思われる.
これまでの報告では,頸損者と上位胸髄損傷者(以下,胸損者)6名において車椅子駆動による運動負荷を施行したところ,最終負荷量,酸素摂取量(VO2),最大酸素摂取量(peak VO2),最高心拍数(peak HR)のいずれもが頸損者に比べ胸損者のほうが有意に高値になった2)という報告や,頸損者においても負荷に応じて心拍数(HR),VO2が有意に回帰する3)というものと,胸髄・腰髄損傷者や健常者に比べ,有意には相関しないとする報告4)がある.前者においては,HRに対しVO2の増加は健常者に比べ低いと報告している.
このように頸損者の運動負荷に対するHR,VO2の応答に対しては相異なる報告がなされており,したがって,CR fitnessに対する評価も十分なされていない.
この度われわれは頸損者に対し,運動負荷を加えた場合に,負荷に対し呼吸循環系がどのように応答するかを調べた.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.