Japanese
English
研究と報告
暑熱環境下運動時における脊髄損傷者の鼓膜温,皮膚温および心拍数の個人差について
Individual Differences in the Tympanic Temperature, Skin Temperature, and Heart Rate in Patients with Spinal Cord Injury during Exercise in a Hot Environment.
石井 好二郎
1
,
山崎 昌廣
1
,
村木 里志
1
,
小村 尭
1
,
菊地 邦雄
1
,
宮側 敏明
2
,
藤本 繁夫
2
,
前田 如矢
3
Kojiro Ishii
1
,
Masahiro Yamasaki
1
,
Satoshi Muraki
1
,
Takashi Komura
1
,
Kunio Kikuchi
1
,
Toshiaki Miyagawa
2
,
Shigeo Fujimoto
2
,
Kazuya Maeda
3
1広島大学総合科学部健康科学
2大阪市立大学保健体育科研究室
3武庫川女子大学文学部教育学科
1Department of Health Science, Faculty of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University
2Department of Health Science and Physical Education, Osaka City University
3Department of Education, School of Letters, Mukogawa Women's University
キーワード:
脊髄損傷者
,
運動
,
体温
,
心拍数
,
個人差
Keyword:
脊髄損傷者
,
運動
,
体温
,
心拍数
,
個人差
pp.449-455
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108107
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はじめに
脊髄損傷者(以下,SCI)は健常者に比べ,皮膚血管運動機能および発汗機能の停止または低下が見られるため1-13),暑熱環境下で運動を実施した場合,健常者よりも容易にうつ熱が生じ,暑熱障害を来す可能性が高いように思われる.しかしながら,暑熱環境下における運動が,SCIの生理機能に及ぼす影響についてはあまり報告1,8,9)されていない.
われわれはこれまでに室温(Ta)約25℃,相対湿度(rh)約50%の常温環境下での,漸増負荷運動時や持久的運動時(20watts,50rpm,30min)におけるSCIの鼓膜温,皮膚温,酸素摂取量および心拍数について,個人差および健常者との反応の差異などを報告14-16)してきた.そして,暑熱環境下における研究も行い,環境温の変化に対する生理機能の反応の健常者との差異を報告17)した.しかしながら,SCIの生理機能の反応には明らかな個人差がいくつか認められ,単に健常者との比較だけでSCIの特徴を述べることは不十分であると思われた.そこで本研究ではSCIの暑熱環境下での持久的運動時における,鼓膜温,皮膚温および心拍数の個人差に着目し,若干の考察を加え報告する.
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