Japanese
English
症例報告
摂食動作困難と重度嚥下障害を合併した両側片麻痺,仮性球麻痺の1例
A Case with Both Feeding and Swallowing Disorder due to Stroke: Rehabilitative Approach to Independent Oral Feeding.
八幡 徹太郎
1
,
津田 豪太
2
,
中山 さやか
3
,
山口 昌夫
4
,
浅野 朋子
1
,
染矢 富士子
5
,
立野 勝彦
5
Tetsutaro Yahata
1
,
Gota Tsuda
2
,
Sayaka Nakayama
3
,
Masao Yamaguchi
4
,
Tomoko Asano
1
,
Fujiko Someya
5
,
Katsuhiko Tachino
5
1金沢大学病院理学療法部
2福井医科大学病院耳鼻咽喉科
3リハビリテーション加賀八幡温泉病院
4金沢医科大学リハビリテーション科
5金沢大学医学部保健学科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kanazawa University School of Medicine
2Department of Otolaryngology, Fukui Medical School
3Rehabilitation kagayawata Onsen Hospital
4Department of Rehabilitation Medicine, Kanazawa Medical School
5Department of Health Science, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
摂食障害
,
嚥下障害
,
両側片麻痺
,
仮性球麻痺
Keyword:
摂食障害
,
嚥下障害
,
両側片麻痺
,
仮性球麻痺
pp.67-71
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108881
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はじめに
脳血管障害のなかで重度嚥下障害を呈する病態の一つに,両側性の脳血管障害による仮性球麻痺がある.そのなかには脳血管病変が四肢にも及ぶため,いずれの上肢でも摂食動作困難となる症例をしばしば経験する.近年,摂食・嚥下障害に対しては多面的アプローチと評価の重要性1)が言われているが,上述のようなケースでは,単に嚥下器官の問題だけで障害をとらえるわけにはいかない.
筆者らは,このような両側性脳血管障害のため経管栄養を余儀なくされ,再び経口で食べることを切望した患者に対して,外科的治療も含めた多面的リハビリテーションアプローチを行ったところ,自力経口摂食まで可能となった症例を経験した.
今回この症例の経過と筆者らが行ったリハビリテーションアプローチにつき考察したので報告する.
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