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はじめに
運動機能が低下した患者Xは,現在,リハビリテーションを受けるかどうかを検討している.同様の病態の患者についてリハビリテーションが行われる場合,日本ではAという手法が用いられることもあれば,Bという手法が用いられることもある.
仮に本稿の読者が患者Xであれば,上記の検討において,医療機関からどのような説明を受けたいと考えるであろうか.Aという方法とBという方法があるのであれば,双方の方法があることを知りたいと考えるかもしれない.また,それぞれの効果を知りたいと考えるかもしれないし,それぞれの効果に違いがあるとすれば,そのことを詳しく知りたいと考えるかもしれない.運動機能の回復・非回復といった,リハビリテーションによってもたらされる結果は,他の誰でもなく,自身が引き受けることになるからである.
また,もし効果についての検証がなされていないとすれば,医療行為としてその手法がなされるからには,検証を早急に行って欲しいと考えるかもしれない.その場合,医療側からは,患者の病態がさまざまであるため検証が難しいという意見が出されるかもしれないが,その場合には,患者は,「手術など,他の医療を行う場合でも,患者の病態がすべて同一であることはない.それでも効果の検証が行われている.効果の検証の行い難さという点において,他の医療行為とリハビリテーション行為とに違いがあるとすれば,どのような違いがあるのかを知りたい」と考えるかもしれない.
以上の記述をみても,リハビリテーション医療の関係者が,リハビリテーションとの関係においてインフォームド・コンセントについて検討しておくことは重要であることがわかる.そこで,上記の検討の基礎資料として,本稿では,インフォームド・コンセントとその要件について記述する注1).
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