Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「友情」―“侠気”の復権による共同体の再生
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.601
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108691
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注文に応じて,きっちりと期待どおりの物を作り上げる人たちのことを職人と呼ぶ.プロ野球で言えば,1,2回を0点で押さえる中継ぎ投手がこれに当たる.
映画の世界では,和泉聖治監督がまさに職人.ピンク映画の監督をしていた父を師と仰ぎ,ピンクの現場で修行しながら,極道,青春,アイドル,小津風辛口ホームドラマなど多彩なジャンルの仕事をこなし,「大安に仏滅!?」が,この春封切られたばかり.職人和泉の映画なら,なにがなんでも見るというのが私の基本的なスタンスなのだが,そのなかでも好きな作品を3本挙げるなら,「お日柄もよくご愁傷さま」,「この胸のときめきを」,「さらば愛しのやくざ」ということになろうか.惨たんたる成績だった昨年の正月映画「流れ板七人」にしても,涙の一滴が頬を濡らす極上品だった.
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