脳血管障害 True or False
脳血管障害急性期の離床は危険か?
近藤 克則
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.597-599
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108689
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脳血管障害の急性期に患者を起座位にすると危険なので,離床は「ラクナ梗塞では……3~5日後,……アテローム血栓性脳梗塞,心原性塞栓では発症後5~10日以後にする必要があろう」という見解ある1).前半部分の「急性期起座危険説」が,離床を乱暴に進めることへの警告として唱えられ,離床を「慎重に」進めるべきであるという文脈で用いられるのならば異論は少ないであろう.しかし,リハビリテーション医学において問題となるのは,これを論拠にし,後半部分で「だから起座を遅らせるべきだ」と早期離床が否定されることである.「慎重に」進めることと,離床を「遅らせる」こととは同義でなく,「慎重に」かつ「早期から」離床を進める方法もある.
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