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はじめに
4年前,本誌連載の1994年1~2月の筆者論文「リハビリテーションにおけるパソコン活用法」1,2)を記憶されている読者はどれほどいるのだろうか?はたしてお役に立てたかどうか疑問であるが,再度の登場となった.さて,前回は「パソコンの進化,しくみ,入出力装置,将来展望」と「筆者のパソコン利用法,電子手帳と時間管理,日本語ワープロとアイデアプロセッサ,ペイント&ドロー,パソコン通信とコミュニケーション」など,個人的なパソコンの利用について紹介した.基本的なパソコンの仕組みや補助装置などは1994年1月号をご参照いただくとして,まずはその後のパソコン環境の変化について紹介する.
前回「筆者のパソコン活用法」として筆者のデスクトップを紹介したが,ほとんど外見上の変化はない.つまり,4年以上前からデスクで利用するコンピュータは同じであり,相変わらずこの原稿も前回同様Macintosh SE30で作成している.オーナーの進歩がないのか,甲斐性がないのかという理由はともかく,用途によっては機種の新旧や性能はあまり関係がないことがお分かりいただけるであろう.
しかし,大きな違いは背後の見えない部分にある.情報通信ネットワークとして,モデム以外にLAN(Local Area Network)とつながっている.これは他のMacintoshだけではなく,Windows95が搭載されたPC/AT互換機やNEC PC98機とも接続され,しかもLANの先にはインターネットを介して世界中とつながっている.「筆者のパソコン活用法」ではパソコン通信による電子メールの利用を紹介した.しかし,当時と比較するとインターネットへの接続と,そこで利用する情報交換の絶対量が増加している.もちろん,電子メールの利用は比較にならないほど激増しており,筆者にとっては頭痛の種でもある.
4年間における一般的なパソコンを取り巻く環境を見渡してみても,Windows95の普及により,パソコンの買い換え(更新)や新規導入は急激な増加があった,パソコン(ハードウェア)の性能も処理速度や集積度(高密度化)はそれなりに良くなっているものの,基本的な技術や構造,操作方法などはほとんど変化していない.しかし,Windows95にはネットワークでの利用を前提にした機能が多く搭載されているため,インターネットの普及と相乗効果があったとも考えられる.
最近では,メーカーでパソコンを選ぶのではなく,OS(基本ソフト)でパソコンを選択する時代である.つまり,ハードウェアメーカーからOSメーカーへのパワーシフトが進み,発言力や影響力の逆転が見られ,さらにアプリケーションソフトのマルチプラットフォーム化(複数のOSに対応)などにより,ソフトハウスも力をつけてきた.そのため,逆にハードウェア仕様の大きな変更や最新ハードウェア技術の導入が難しくなってきているとも考えられよう.
連載予定
1)目的に応じたパソコン使用環境をどう整えるか
2)リハビリテーション業務管理にパソコンをどう応用するか
3)電子カルテのリハビリテーション業務への応用
4)情報交換・情報収集・共同作業への電子Network応用
5)障害児教育への簡単なプログラムソフトの応用
6)研究データ管理・データ解析の実際
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