Japanese
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症例報告
コンピュータ制御膝継手(Genium)を使用した片脚大腿切断患者に対する昇段練習の工夫
Stair ascent exercise using the microprocessor-controlled knee(Genium)prosthesis for a unilateral transfemoral amputee patient
尾﨑 友香
1
,
菱川 法和
2
,
今井 幸恵
3
Tomoka OZAKI
1
,
Norikazu HISHIKAWA
2
,
Sachie IMAI
3
1社会医療法人宏潤会大同病院リハビリテーション科
2京都府立医科大学大学院医学研究科リハビリテーション医学
3医療法人珪山会鵜飼リハビリテーション病院リハビリテーション科
キーワード:
大腿切断
,
義足
,
膝継手
,
昇段練習
Keyword:
大腿切断
,
義足
,
膝継手
,
昇段練習
pp.479-483
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202288
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要旨 コンピュータ制御膝継手のGeniumは,大腿切断患者の昇段動作を改善する.多くの報告では,生活期の大腿切断患者を対象とし生体力学的分析の結果により明らかにしている.一方で理学療法での具体的な練習内容は示していない.本研究では,回復期リハビリテーション病棟に入院した50歳台男性の外傷による片側大腿切断患者に対して,Geniumを使用した義足での昇段練習を含む理学療法を1日140分で33日間実施した.理学療法では,一足一段での昇段動作を強化した.理学療法士は,Geniumの特性を発揮させるため,昇段動作を歩行周期に準じて遊脚期と立脚期に分けて練習させた.練習後はステップ様式が変化し,階段昇降の能力が向上した.Geniumを使用した義足での昇段練習では,視覚・言語情報による誤差学習や膝継手の特性を考慮した股関節運動と立脚期の荷重練習が重要と考えた.Geniumを使用した大腿切断患者に対する昇段練習をより効率的にするために,理学療法での練習内容を標準化していく必要がある.
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