書評
村田 茂 著―新版 日本の肢体不自由教育 その歴史的発展と展望
佐鹿 博信
1
1横浜市障害者更生相談所
pp.1254
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108523
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旧版から19年を経て新版が出版された.この間,養護学校の義務教育が完全実施され,障害児の多様な個別の「特別な教育ニーズ」が広く認識されるようになり,通級による指導の制度などが始まっている.
第1章は「肢体不自由児教育成立の背景」である.整形外科学の発達とともに「療育」が発展してきたことが述べられている.富国強兵政策の下で,小学校令(1885年公布)により,明治末期までに就学率は98%に達していたが,大正期の新教育思想の勃興期を反映して特殊教育全般への関心が高まっていった.しかし,関東大震災により肢体不自由の教育機関は設立されるに至らなかった.
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