Japanese
English
特集 リハビリテーションとpharmacology
脳内伝達物質と受容体
Neurotransmitter and Receptor.
谷脇 考恭
1
Takayuki Taniwaki
1
1九州大学医学部脳神経病研究施設神経内科
1Department of Neurology, Neurological Institute, Faculty of Medicine, Kyushu University
キーワード:
神経情報伝達
,
シナプス
,
脳機能
Keyword:
神経情報伝達
,
シナプス
,
脳機能
pp.1229-1236
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108519
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はじめに
中枢神経系および末梢神経系のいずれにおいても,神経細胞間あるいは神経細胞と効果器(細胞)との間の神経情報伝達はシナプスを介して行われる.高等動物の神経系では神経終末(シナプス前部)より脳内伝達物質(神経伝達物質)が放出され,シナプス後膜(シナプス後部)に存在する受容体に結合することにより,神経情報伝達が行われる.
神経伝達物質は大別して,1)アセチルコリン,2)アミン系(ドパミン,アドレナリン,ノルアドレナリン,セロトニン,ヒスタミン),3)アミノ酸系(GABA,グルタミン酸),4)プリン系,5)ペプチド系,6)ステロイドホルモン系などがある1)(図1).
本稿では,まず,神経伝達物質の動態を示し,次に種々の神経伝達物質のなかで,特に神経疾患に関連の深いアセチルコリン,ドパミン,ノルアドレナリン,セロトニン,GABA,グルタミン酸,オピオイド,および,その受容体について,薬理学的性質,脳内の分布,脳機能における役割,神経疾患との関連などを述べる.
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