Japanese
English
特集 中枢神経障害のリハビリテーション
リハビリテーション診断学・処方学
理学的所見と評価
Physical Examination and Evaluation in Rehabilitation Medicine.
安藤 徳彦
1
Norihiko Ando
1
1横浜市立大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University, School of Medicine
キーワード:
問診
,
診察
,
評価
Keyword:
問診
,
診察
,
評価
pp.889-895
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108485
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
リハビリテーションの多くの教科書は「障害の評価」に説明の中心を置いているが,それはリハビリテーション医学の特徴の理解を得ることを目的とするからであり,診断学を軽視した結果ではない.リハビリテーションの評価は診断学から独立して別個に存在するものではなく,診断を前提として成立するものである.疾患の予後を正しく知らないでリハビリテーションの治療計画を設定することは不可能である.
とはいうものの,リハビリテーションの目的は患者の社会的活動性をできるだけ元の状態に戻すことだから,疾患を直接・間接の原因として起きているあらゆる障害を把握する必要がある.中枢神経系の神経診断学に関係する手続きも,機能障害の推移を把握して予測することに中心が置かれるべきである.また,機能障害の結果として生ずる能力低下はもっとも重要な評価対象である.さらに,退院後の家庭の状況,生活を営む地域生活環境と社会資源,職場や学校の物的・人的環境を無視して,機能障害のみを対象にリハビリテーションを終始させるようでは,その結果は虚しいものに終わる.
以上の観点に立って,中枢神経系の診断・評価法の概論をリハビリテーション医の立場から述べる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.