- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
睡眠関連運動障害群(sleep related movement disorders;SRMDs)は,睡眠を妨げるかあるいは睡眠開始時に出現する比較的単純で常同的な運動(simple stereotyped movements)に特徴づけられる疾患群をいう。一方,睡眠中の錯綜した複雑な行動(complex behavior)を示すものは睡眠時随伴症群(parasomnias)として区別される1)。2014年に睡眠障害国際分類第3版(International Classification of Sleep Disorders, Third Edition;ICSD-3)が発表され,SRMDsのカテゴリーには,レストレスレッグズ症候群(restless legs syndrome;RLS),周期性四肢運動障害(periodic limb movement disorder;PLMD),睡眠関連下肢こむらがえり,睡眠関連歯ぎしり,睡眠関連律動性運動障害,乳幼児期の良性睡眠時ミオクローヌス,入眠時固有脊髄ミオクローヌス,身体疾患による睡眠関連運動障害,薬物または物質による睡眠関連運動障害,特定不能の睡眠関連運動障害があり,「孤発性症状と正常亜型」のなかに,過度断片的ミオクローヌス,入眠時足部振戦および交替性下肢筋賦活,睡眠時ひきつけ(睡眠時びくつき)の3つが含まれる(表1)1)。RLSは,いわゆる常同的な運動を伴うものではなく,四肢の異常感覚を和らげるための複雑な四肢運動を伴うが,周期性四肢運動(periodic limb movement;PLM)と密接な関連性があることから本カテゴリーに属する1)。本稿では,睡眠医療の現場で,特に高齢者に多いRLSを中心に概説する。「KEY WORDS」睡眠関連運動障害,レストレスレッグズ症候群,周期性四肢運動,高齢者
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.