特集 よくわかる! 精神疾患対応 これ1冊―内科医と精神科医の連携のために
第6部 知っておきたい精神疾患 各論4:睡眠障害
4 レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)・周期性四肢運動障害
井上 雄一
1
1東京医科大学睡眠学講座
pp.249-254
発行日 2024年3月26日
Published Date 2024/3/26
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000691
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Summary
1.むずむず脚症候群(RLS)は,夜間の下肢の運動促迫を主症状とする疾患で,これに加えて睡眠中に生じる反復性の下肢の不随意運動(周期性四肢運動)を高頻度に随伴するため,不眠,抑うつ・不安症状,心血管系合併症をきたすリスクがある.
2.本症候群は症候性(二次性)と特発性に分類され,前者に関して,末期腎不全やParkinson病患者,妊娠中の女性で有病率が高いことが知られている.後者に関しては,いくつかの遺伝学的特性,中枢ドパミン系神経の機能異常,鉄欠乏などが,その病態生理に関与している可能性が推測されている.
3.RLSの治療に関しては,ドパミン受容体作動薬(DA)の速効性が知られているが,DAは長期連用下で治療前より症状が悪化するaugmentationという現象をきたす可能性があるため,これに代わって,近年では中枢神経の興奮を抑制するα2δリガンドの重要性がクローズアップされている.
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