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特集 障害学Update
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権利擁護の課題―知的障害者の人権を私たちはいかにして守るか
Issues of Legal Advocacy: How can We Protect the Human Rights of Mentel Handicap Person.
副島 洋明
1
Hiroaki Soejima
1
1副島法律事務所
1Soejima Law Office
キーワード:
知的障害
,
人権
,
虐待
Keyword:
知的障害
,
人権
,
虐待
pp.1013-1015
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108226
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知的障害者の〈人権状況〉はどうなっているか
まず,私が現在取り組んでいる水戸事件から,知的障害者の人権状況について考えてみたい.この水戸事件とは,水戸市のダンボール製造加工の企業の元社長が,多数の知的障害者(約30名)を工場に隣接する寮に住み込みで働かせながら,日常的に人間のしわざとは思えないようなむごい暴行・虐待(性的虐待を含む)を繰り返していたという虐待事件である.そのような虐待の他にこの企業は,きわめて安い賃金しか支払っていないのに最低賃金法並みの賃金を払っていると虚偽の賃金台帳等を作成して,国から不正に障害者雇用助成金をだましとってきていた.
この事件は今年の1月,元社長が障害者雇用助成金の一部について詐欺罪で逮捕されたことから,新聞等で社会的に「告発」されて,その虐待の実態があばかれるに至った.現在は詐欺罪等,犯罪の一部について裁判が進行するとともに,虐待を受けた被害者たちはその刑事責任の追及をしている(強姦致傷・傷害罪等12人の刑事告訴等).
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