Japanese
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講座 生涯人間発達
3.運動機能の生涯発達
Life-span Development of Motor Functions.
上田 敏
1
,
上田 礼子
2
Satoshi Ueda
1
,
Reiko Ueda
2
1帝京大学市原病院リハビリテーション科
2東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
1Department of Rehabilitation Medicine, Teikyo University Ichihara Hospital
2School of Allied Health Sciences, Tokyo Medical and Dental University School of Medicine
キーワード:
発達
,
運動
,
力動的システム理論
Keyword:
発達
,
運動
,
力動的システム理論
pp.829-834
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108190
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はじめに
筆者らは先に人間の運動発達に関する1980年代初頭までの研究を概観し,Gesell and Amatruda(1947)やMacGraw(1945)に代表される神経成熟説に対して,Milani Comparetti(1975)やBower(1977)などの力動的発達観が台頭しつつあることを報告した1,2).
今回はまず初めに伝統的な運動発達の見方である神経成熟説を総括し,次いで,その問題点を検討し,そのうえで,過去40年間に顕著な理論化の進展が見られなかった運動発達の分野で,最近,急速に研究者・実践家の関心を集めるようになってきた新しい運動発達モデルを紹介したい.それはダイナミック・システムズ・アプローチ(dynamic systems approach,力動的システム理論)と呼ばれ,健常児(者)だけでなく障害児(者)の運動発達を理解するうえでも役立つとされ,治療的に応用することも試みられている.その点で本論文のテーマである生涯にわたる運動発達の理解に新しい視角を与えるものと考えられる.
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