Japanese
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特集 腰部脊柱管狭窄症―各種療法と日常生活指導
保存療法―薬物療法;Prostaglandin製剤の適応と限界
Effects of Prostaglandin for Lumbar Spinal Canal Stenosis.
村上 正純
1
Masazumi Murakami
1
1千葉大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
腰部脊柱管狭窄症
,
神経性間欠跛行
,
薬物療法
,
プロスタグランディンE1
,
プロスタサイクリン
Keyword:
腰部脊柱管狭窄症
,
神経性間欠跛行
,
薬物療法
,
プロスタグランディンE1
,
プロスタサイクリン
pp.809-814
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108187
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はじめに
腰部脊柱管狭窄症(Lumbar Spinal Canal Stenosis;LSCS)の臨床症状は,腰痛,下肢痛・しびれ感および間欠跛行など多岐にわたるため,通常の外来診療の場では消炎鎮痛剤やビタミン剤などの投与が対症療法として漫然と行われる傾向にある.さらに,疾患自体の自然経過による症状の消退もあるため,薬物療法の正確な効果判定がしばしば困難となり,この点もこれを助長している.
一方,LSCSの主症状である神経性間欠跛行(Neurogenic Intermittent Claudication;NIMC)の発現機序としては,機械的圧迫の増強の他,動的要因としての馬尾神経や神経根の循環障害による神経組織の相対的低酸素状態の関与が注目されている4,12,13).最近,この病態に則した薬物療法として各種の血流改善剤の投与が行われ,その有効性が報告されている2,5,7,10).本項では,Prostaglandin製剤,特にLipo Prostaglandin E1(Lipo PGE1,一般名alprostadil)静注による臨床成績を示し,本剤の適応と限界および血流改善効果よりみたNIMCの病態につき検討を加えた.
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