Japanese
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講座
Prostaglandinと肺
Prostaglandin and the lung
国府 達郎
1
Tatsuo Kokubu
1
1愛媛大学医学部第2内科
12nd Dept. of Internal Medicine, Ehime University School of Medicine
pp.783-790
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202810
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1933年M.W. GoldblattとU.S. von Eulerによりそれぞれ別個に,ヒト精液および前立腺分泌物中に,血圧を下げたり平滑筋を収縮する物質があることが報告され,Eulerは本物質に対してProstagladin (PG)と命名した。1957年,本物質は結晶化され,1962年にはBergstrom一派の研究により,構造が決定され脂肪酸の一つであることが明らかにされた。その後,本物質の生体内分布,生合成,代謝,生理的役割が次第に明らかにされ,今日の研究の隆盛をみるに到った。
最近,肺については,呼吸機能の他に種々の生理的役割の重要性が強調されている。中でも生理活性物質の肺における代謝の異常が,種々の疾病や病態の発生に関与していることが言われてきている。PGもその例外にもれず,肺循環における生合成および代謝の機構や,肺特に気管支への生理作用が研究されており,更にそれらの異常と種々の病態の発生との関連性が推定されている。本稿では,これらの問題をとり挙げて順次解説していきたい。
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