スコープ
障害者のQOLとプライバシー
鈴木 紀郎
1
1NHKエデュケーショナル
pp.383-384
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108092
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5年前,初めて福祉の先進国デンマーク,スウェーデンの老人施設を見学する機会をもった.そのとき大変なカルチャーショクを受けた覚えがある.自分が高齢になり障害者になったとき,入ってもよいと思える老人用の施設があったことである.それまで,取材で日本の施設をいくつか見ていたが,年をとり障害をもったとき,自分から積極的に入ろうと思える施設はなかった.障害があるのだから諦めて,我慢しなければいけないと思っていた.しかし,それが間違いであることに気づかされたのである.障害があってもプライバシーが確保され,万一の時の心配がないような生活を送ることが可能であったのだ.
デンマーク・コペンハーゲンの郊外ゲントフテ市にあるケアセンター.デイホーム,保護つき住宅,ナーシングホームの3つの施設が同一の家屋内にあり,理学療法室,作業療法室,さらにレストランや美容室といった施設は共同利用できるようになっている.
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