連載 技法=以前・10
プライバシー
向谷地 生良
1,2
1浦河べてるの家
2北海道医療大学
pp.100-105
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100560
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精神保健福祉の現場でケアに携わっている人たちに「大切にしていること」を尋ねると、つねに上位にあげられるのが「プライバシー」と「個人情報の保護」である。
「プライバシーの保護」と「個人情報の保護」は、前者が元来いろいろと私生活を話題にされることの多い著名人(公人)が「ほうっておいてもらう権利」として主張したのが源★1であり、後者は個人情報保護法の成立がその発端となっている。このように微妙な差異はあるが、病気をもっていることを含めて、当事者の私事にかかわる個人情報の漏洩防止や秘密の保持は専門家に課せられた基本的な責務となっている。
しかし、本来異なった概念であった両者は重なり合うことで曖昧となり、特に私たちが「プライバシー」に託すイメージは拡大の一途をたどって、ケア現場に影響を与えるようになっている。
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