学会報告
第21回東海リハビリテーション懇話会―1994年10月21日(金),於:名古屋大学医学部鶴友会館
柴田 澄江
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1名古屋大学医療技術短期大学部作業療法学科
pp.85-86
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108030
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1.高次脳機能障害の評価と治療・訓練
名古屋大学医療技術短期大学部作業療法学科 柴田澄江
(1)高次脳機能障害へのアプローチの現状
高次脳機能およびその障害については,医学界のみならず多くの領域において研究が進み,難解なこの分野も徐々に解明されつつある.しかし,高次脳機能障害に対する治療・訓練的アプローチは未だ試行錯誤の域を出ず,十分な共通理解ができているとは言い難い.
作業療法においては長年手探り的に臨床経験を積み重ねてきた人たちが,その成果を公的な討論の場に発表し始めており,それと共にこの分野への興味・関心が急激に高まってきた.学会での研究発表の急増や,5年前に発足した「高次神経障害作業療法研究会」の活発な活動などはその現れであろう.このような活動を通して,治療・訓練にある程度のコンセンサスができつつあるのが現状である.それらを踏まえて,以下,作業療法の治療構造について述べる.
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