Japanese
English
講座 失語症の基礎と臨床
1.言語機能とポジトロンCT
Language Function and Positron Emission Tomography.
櫻井 靖久
1
Yasuhisa Sakurai
1
1東京大学医学部附属脳研究施設神経内科
1Department of Neurology, Institute for Brain Research, School of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
言語
,
PET
,
activation study
Keyword:
言語
,
PET
,
activation study
pp.33-38
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108020
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はじめに
言語機能をPET(positron emission tomography)を用いて視覚的にとらえる試みは,1988年Nature誌に発表されたPetersen,Foxらの研究1)に始まる.この研究は,その後のactivation studyの方法論的基礎を与えた点で重要である.この研究に続いて,イギリス,カナダ,フランス,日本などから相ついで研究成果が報告されている.これらの研究のほとんどは心理学者によってなされ,言語処理のモデルを構築ないし検証するという意図を持っている.しかしながら,実際には賦活される領域が多く,いく通りもの解釈を可能にしているというのが現状である.
本稿では,まず言語処理のモデルを紹介し,情報処理の立場から言語活動がどのようにとらえられるかについて述べ,次に情報処理系の機能局在について,現在までPET studyで得られた知見を整理してみたい.なおPETによる言語のactivation studyには原著者らによる総説2-7)がいくつか出ているので,参考にされたい.
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