Japanese
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特集 Neuroimagingと脳機能評価
放射性トレーサーを用いた脳循環代謝測定像による大脳機能局在の研究—その方法と現状
Functional Brain Study by Radionuclide Neuroimaging
上村 和夫
1
Kazuo Uemura
1
1秋田県脳血管研究センター
1Research Institute for Brain and Blood Vessels-Akita
キーワード:
positron emission tomograpthy(PET)
,
activation study
,
regional brain function
,
single photon emission CT(SPECT)
,
neuroimaging
Keyword:
positron emission tomograpthy(PET)
,
activation study
,
regional brain function
,
single photon emission CT(SPECT)
,
neuroimaging
pp.425-434
発行日 1990年5月1日
Published Date 1990/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900051
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1.はじめに
脳の働き,特に機能の局在に関する研究は,従来実験動物を用いた脳の電気生理学的研究や破壊実験により支えられてきた。人の脳による研究では,脳に損傷を受けた患者の病理解剖所見から探索する方法(Brocaの言語中枢の発見等)や,特殊な方法としては,Penfieldらの開頭術中の電気刺激による大脳皮質機能局在地図の作成などがあるが,正常な人の脳の機能的局在を直接体外から非侵襲的に検索することは不可能であった。
1980年Roy C.S.とSherrington C.S.は1)、脳の機能的活動状態と脳循環代謝のや相関性を指摘した。1962年,Lassen & Ingvarらが放射性希ガスと頭蓋外からの放射線測定による局所脳血流量測定を発表し,1970年代から主に彼らのグループにより,局所脳血流量測定による脳の機能的局在に関する研究が精力的に開始された2)。現在ではポジトロンCT(PET)によりこれらの研究が行なわれるようになり,様々な新しい知見が報告され,最近,本邦でもこの方法に関心が持たれるようになった。
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