巻頭言
知的障害人の自立と支援
高松 鶴吉
1
1西南女学院大学
pp.551
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107894
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5月の連休,久しぶりに映画を観に行った.「フォレスト・ガンプ」という映画である.軽い知的障害の人がその一途の純粋さで,一つひとつの場面に熱中し,成功し続けたという物語であった.「これは大人のおとぎ話」と思ったが,それでも知的障害人の純粋さに感動したという巷の声が嬉しい.
最近ようやく彼らの意見も入り,彼らは知的障害といわれ始めているが,長く精神薄弱と呼ばれ,蔑視と保護の対象とされてきた.彼らが彼ら自身を主張できるとは誰も考えていなかっただろう,親たちが「全日本育成会」をつくり,彼らの権利擁護に働いてきたことはご承知のとおりである.その彼らが世界の各地でPEOPLE FIRST(まず人間として見て!)という運動を広げ,自ら発言するようになってきている.社会がもつ負のイメージが彼らの本来の能力を抑圧してきたことが認識され始めている.
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