特集 転換期の結核対策―医療と予防
プライマリケアセンターを基盤とした結核センター構想―大阪市の「西成特区構想」
高鳥毛 敏雄
1
1関西大学社会安全学部
pp.306-309
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102710
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はじめに
大阪市は,平成24(2012)年6月「西成特区有識者座談会」を設け,平成25(2013)年度から5年程度かけて進める西成特区構想を,同年10月に報告書として取りまとめた.有識者座談会は,大阪市特別顧問(西成特区構想担当)の鈴木亘氏(学習院大学教授)を座長とし,西成区やあいりん地域に精通する各分野の7名の専門家で構成され,分担して西成特区構想の大方針,具体的施策案,および工程表案を示すことを目的として設置されたものである.その報告書の内容を具体的に施策化,予算化をするのが,西成区に設けられた西成特区構想プロジェクトチームである.この西成特区構想の中で,短期集中的に取り組む課題として結核問題が取り上げられた(図1).これは,西成区の結核罹患率は全国一高く,中でもあいりん地域はボツワナ,ザンビアなど,アフリカの最貧国並みの水準にあることからである1).
本稿では,西成特区構想で取り上げられた結核対策の構想とはどのようなものかについて説明する.詳細は,「西成特区構想有識者座談会報告書のポイント」を参照していただきたい2).
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