Japanese
English
特集 生活関連動作
家事技能訓練とその効果
Home Making Training and Effect of Training.
星 文子
1
Ayako Hoshi
1
1初富保健病院
1Hatsutomi Hoken Hospital
キーワード:
家事動作
,
身体障害
,
家事技能訓練
,
家族指導
Keyword:
家事動作
,
身体障害
,
家事技能訓練
,
家族指導
pp.549-555
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107644
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はじめに
家事とは,われわれの生活のなかで最も基本的な部分である家庭生活を維持していく労働を指し,衣食住に関わる運営と,育児・教育および経済的家庭管理を含むものである.その労働の中心的担い手は主婦であり,主婦の生活時間の大半はそれに費やされる.障害による家事遂行能力の低下は,主婦の家族の一員としての役割の喪失を招き,また家族にも大きな影響を及ぼす.障害を有する女性にとって,家事能力の再獲得は,家族の一員としての復権を意味するといえよう.
家事動作訓練は,すべてリハビリテーション・スタッフによってなされるが,その中でもOTの役割は大きい.また,筆者が1984年に行った全国100施設における家事動作訓練の実施状況調査において,家事動作訓練を実施している施設は93.3%と高く,その重要性を裏付けるものであった.訓練内容も以前は自助具の紹介や台所の改造などハードウェア的なものが中心であったが,最近ではOTによって系統だてられた訓練方法が報告されるようになった.
そこで本稿では,障害者のための家事動作訓練について,障害による家事遂行上の問題点を明らかにするとともに,訓練および家族指導の方法について概説する.また,症例を通して訓練の効果について言及する.なお家事の範囲は広いが,誌面の都合もあり,ここでは今田1)分類に従って,調理,整理・整頓(掃除),洗濯の3つの動作に限ることにする.
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