Japanese
English
特集 生活関連動作
外出のための医学的リハビリテーション
Medical Rehabilitation for Transfering Outside.
鳥羽 寿範
1
,
桂 律也
1
Toshinori Toba
1
,
Ritsuya Katsura
1
1湯河原厚生年金病院リハビリテーション科
1Yugawara Kousei-Nenkin Hospital
キーワード:
外出
,
外出訓練
,
環境調整
Keyword:
外出
,
外出訓練
,
環境調整
pp.557-562
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107645
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はじめに
日常生活関連動作(APDL)の諸項目の中でも「外出」は他の項目に較べ特殊な項目である.家事に属する他の項目は,家族などの生活単位の中で役割が明確に存在する.家事は状況によっては他者がその役割を代行することが可能であり,障害者本人がその役割を負う必要がない場合も多い.一方,「外出」は何らかの形で大多数の人間が行っており,ある種の買物など一部の目的を除いて他者が代行することができない.したがって,ほとんど全ての障害者について自立・介助にかかわらず「外出」を可能にする必要がある.
「外出」の達成には,障害者自身の問題,環境の問題,介護者の問題が複雑に関与している(図1).したがって,医学的リハビリテーションの期間に,屋外移動訓練または外出介助法の指導,介護者の確保,住居・周辺環境の整備などが並行して行われるのが理想である.しかし,リハビリテーション医療の現場では,障害者・家族やリハビリテーション・チームの「外出」に対する認識不足や諸制度上の制約などのため,「外出」へのアプローチが十分に行われていないのも事実である.その結果,「外出」の達成は,地域のリハビリテーション・サービスと障害者および家族の自己努力に委ねられている.
本稿では,「外出」の意義を整理し,医学的リハビリテーションでの取り組みについて検討を加える.
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