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実践講座 フィジカル・フィットネス
5.脊髄損傷者とフィジカル・フィットネス
Effects of Physical Fitness in Paraplegics and Quadriplegics.
田島 文博
1
,
緒方 甫
1
Fumihiro Tajima
1
,
Hajime Ogata
1
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
運動
,
対麻痺
,
四肢麻痺
Keyword:
運動
,
対麻痺
,
四肢麻痺
pp.427-434
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107616
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はじめに
リハビリテーション・プログラムの基本理念である「残存能力の拡大]の浸透により,今日では,ほとんどの対麻痺者はリハビリテーション訓練を受けていると考えられる.この理念が行きわたる以前の脊髄損傷(以下,脊損)者はスポーツやフィットネスという以前の,ADLすら自立しない状態であった.
かつて,T3対麻痺者が全くリハビリテーション訓練をされずに15年間家族による手厚い看護を受け,ベッド上安静を保っていた例に驚かされたことがあったが,現在の日本では,少なくともリハビリテーション・プログラムのなかで,ほとんどの対麻痺者が個体差はあるがある程度の筋力を獲得し,車いす上ADLは自立して家庭,社会復帰をしているであろう.
この小稿では,座位の生活時間帯が長く,積極的に運動をしない脊損者がフィジカル・フィットネスを行う意義とその必要性について,主に,その効果を中心に総説を試みた.したがって,脊損者が運動を行った時の生理的適応,すなわち,運動時の循環,呼吸,体温調節などの,脊損者の運動生理に関しては別稿を参照していただきたい1~8).
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