Japanese
English
特集 悪性腫瘍とリハビリテーション
〔事例報告〕
持続性疼痛が阻害因子となった悪性神経鞘腫による対麻痺の1症例
Persistent-Burning Pain in the Paraplegia caused by Malignant Schwannoma: Case Report.
山本 満
1
,
緒方 甫
1
,
田島 文博
1
,
安倍 基幸
1
,
蜂須賀 研二
1
,
肱岡 昭彦
2
Mitsuru Yamamoto
1
,
Hajime Ogata
1
,
Fumihiro Tajima
1
,
Motoyuki Abe
1
,
Kenji Hachisuka
1
,
Akihiko Hijioka
2
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
2産業医科大学整形外科学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
2Department of Orthopedic Surgery, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
von Recklinghausen病
,
悪性神経鞘腫
,
対麻痺
,
疼痛
,
モルヒネ
Keyword:
von Recklinghausen病
,
悪性神経鞘腫
,
対麻痺
,
疼痛
,
モルヒネ
pp.677-680
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107134
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はじめに
von Recklinghausen病は皮膚色素沈着(cafe aulait斑)と多発性神経線維腫を主徴とし,骨病変,眼病変,神経腫瘍,その他多彩な症候を呈する全身性母斑症であり,常染色体性優性の遺伝性疾患である.神経線維腫は末梢神経ばかりではなく中枢神経や脊髄神経根にも生じることがあり,脊髄神経根の神経線維腫が腫大すると脊髄や神経根を圧迫して麻痺や疼痛を生じる.最近,われわれはvon Recklinghausen病患者に生じた悪性神経鞘腫の増大と浸潤により対麻痺と持続性疼痛をきたした症例を経験した.リハビリテーションに際し持続性疼痛が阻害因子となりリハビリテーション施行に難渋したが,徐放性モルヒネ製剤による疼痛管理のもとで訓練を行い自宅復帰を果たしたので報告する.
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