Japanese
English
特集 筋力とその評価
遠心性機器を用いた筋力測定と訓練
Assessments of Muscle Power and Effects of Eccentric Exercise using Eccentric Training Machine.
高柳 清美
1
,
吉村 理
2
,
中山 彰一
1
,
井原 秀俊
3
Kiyomi Takayanagi
1
,
Osamu Yoshimura
2
,
Akikazu Nakayama
1
,
Hidetoshi Ihara
3
1九州リハビリテーション大学校
2九州労災病院リハビリテーション診療科
3九州労災病院整形外科
1Department of Physical Therapy, Kyushu College of Rehabilitation
2Department of Rehabilitation, Kyushu Rosai Hospital
3Department of Orthopaedic Surgery, Kyushu Rosai Hospital
キーワード:
遠心性収縮
,
筋力測定
,
筋力増強訓練
Keyword:
遠心性収縮
,
筋力測定
,
筋力増強訓練
pp.203-209
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107566
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はじめに
日常の動作群は階段を昇る,物を挙げるといった正の仕事(Positive Work)と,階段を降りる,物を下ろすといった負の仕事(Negative Work)に分けられるが,正の仕事は主として筋の長さが短縮する求心性(以下,CON)収縮により,負の仕事は筋が収縮しながらその長さが伸びていく遠心性(以下,ECC)収縮により構成される.ECC収縮はCON収縮と同様に日常動作中に多数存在し,両収縮の組み合わせにより合目的的で,エネルギーの無駄のない動きを形作っている.一方,最近スポーツ損傷の中でも関心の高い非接触型の前十字靭帯損傷は,ジャンプ・ストップなどエネルギーの蓄積や分散が行われるECC収縮相で受傷頻度が高く,また成長期の過度の反復刺激が原因のOsgood-Schlatter病とECC筋力とは関連性が高いと報告されている1).しかし,一般リハビリテーション領域ではECC収縮はほとんど意識されることなく,CON訓練のみが強調されている.
そこで本稿では筋力訓練の再考として,ECC筋力の特性,評価・訓練の問題点および訓練効果について概説する.
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