特集 遠心性収縮を考える
—エディトリアル—遠心性収縮を再考する
白谷 智子
1
Tomoko SHIRATANI
1
1苑田第二病院
キーワード:
遠心性収縮
,
リスク
,
効果
Keyword:
遠心性収縮
,
リスク
,
効果
pp.148-151
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590020148
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はじめに
日常生活活動において,力の加減や運動速度の調節に遠心性収縮は重要な役割を担っている.何らかの原因で筋力が弱化すると日常生活活動で遠心性収縮による制御が困難になる.遠心性収縮力を強化する必要があるが,抵抗を加えた遠心性収縮運動(遠心性抵抗運動)は筋損傷を生じやすい欠点がある.そのため,抵抗運動による筋力強化では安全とされる求心性収縮が主に行われ,遠心性抵抗運動を避ける傾向がある.
しかしながら近年の研究では遠心性収縮運動の安全性が報告され,遠心性抵抗運動による筋損傷のリスクと臨床的効果について多くの誤解がある.本特集では,エビデンスを提示しながらあらためて遠心性収縮の意義を考えていきたい.
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