Japanese
English
短報
バリウムの温度による嚥下咽頭期時間の変化
Effects of Temperature of Contrast Media on Pharyngeal Transit Time.
苅安 誠
1
,
吉田 香奈子
2
Makoto Kariyasu
1
,
Kanako Yoshida
2
1福井医療技術専門学校言語療法学科
2榊原みのり会病院言語療法科
1Department of Speech Therapy, Fukui Institute of Technology for Medicine
2Department of Speech Therapy, Sakakibaraminorikai Hospital
キーワード:
温冷バリウム
,
嚥下
,
咽頭期所要時間
Keyword:
温冷バリウム
,
嚥下
,
咽頭期所要時間
pp.49-50
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107529
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はじめに
嚥下とは通常飲食物を口腔から胃まで送り込む一連の運動をいう.この過程を外から観察するのは難しい.そこで,臨床では,嚥下動態を観察する方法として,X線ビデオ透視撮影(videofluorography;VF検査)が行われている.この検査では,造影剤として硫酸バリウムなどが用いられている.食塊の量は通常5~15mlであるが,温度については明記されていない1-3).
Lazzaraら4)は,嚥下障害患者の前口蓋弓下部(基部)へ冷刺激を与えた直後は,嚥下所要時間が短くなったと報告している.また,われわれの臨床経験から嚥下障害患者にとってアイスクリームなど冷たい食物ののみ込みが比較的容易なこともある.つまり,食塊の冷たさが,嚥下反射を誘発して,咽頭期の食塊移動時間を変えている可能性がある5).そこで,今回の研究の目的は,バリウムの温度により嚥下咽頭期の所要時間に違いがあるかを調べることである.
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