Japanese
English
研究と報告
温熱療法と骨内血流量―水素クリアランス法を用いて
Thermotherapy and Intraosseous Blood Flow in the Rat.
講武 芳英
1
,
武政 誠一
1
,
嶋田 智明
1
,
石川 斉
1
,
北 潔
2
Yoshihide Kohbu
1
,
Seiichi Takemasa
1
,
Tomoaki Shimada
1
,
Hitoshi Ishikawa
1
,
Kiyoshi Kita
2
1神戸大学医療技術短期大学部
2舞子台病院整形外科
1School of Allied Medical Sciences, Kobe University
2Maikodai Hospital, Kobe
キーワード:
温熱療法
,
骨内血流量
,
水素クリアランス法
Keyword:
温熱療法
,
骨内血流量
,
水素クリアランス法
pp.45-48
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107528
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はじめに
温熱療法は鎮痛,循環改善および新陳代謝促進等を目的として外傷や骨・関節疾患などの治療に用いられている.温熱療法による生体の反応としては.1)局所温度の上昇,2)疼痛閾値の上昇,3)筋痙性の軽減,4)膜透過性の亢進,5)局所新陳代謝の促進,6)組織伸展性の増大等が指摘されている.その生理的効果の検証は1950年代に始まり,報告されてきた.しかし,その内容の多くは皮膚など表在組織の温度や末梢血流量の変化に関するもので9,16-18),深部組織ことに骨内の血行動態変化については未だ十分な解明がなされてはいない12,15).その理由は,血管が骨組織に包含されていることや血流量を容易に定量化する方法がなかったことに起因していた.1964年に至り,局所血流量を繰り返し容易に定量化できる水素クリアランス法が開発された7).これにより生体のあらゆる組織での血流量測定が可能となり臨床領域でも応用されている1,3-6).そこでわれわれは整形外科とリハビリテーションの主要分野を占める骨・関節の阻血性病変の検索に用いようと考えた.ことに無腐性骨壊死では骨内血流量の減少が主因としてあげられており,今回われわれは温熱効果を骨内の血流量の定量的変化で捉えようと試みた2).
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