Japanese
English
綜説
前立腺疾患の温熱療法
Hyperthermia for Prostatic Disease
前川 正信
1
,
和田 誠次
1
Masanobu Maekawa
1
,
Seiji Wada
1
1大阪市立大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Osaka City University Medical School
キーワード:
温熱療法
,
前立腺肥大症
Keyword:
温熱療法
,
前立腺肥大症
pp.1003-1012
発行日 1991年12月20日
Published Date 1991/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900487
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前立腺疾患に対する非浸襲的治療の一つとして,温熱療法が注目されている.温熱に用いられる電磁波としてはマイクロ波と高周波があり,前立腺への到達経路として経直腸的あるいは経尿道的経路がある.経直腸的経路の場合には,前立腺直腸瘻の合併症が生じる可能性があるため,直腸粘膜を冷却する必要があり,前立腺内の最高温度は43℃前後に保たれ,前立腺癌に対する化学療法,または放射線療法との併用療法が期待できる.一方,経尿道的経路の場合,一般に尿道温度が45℃を越えると痛みを感じると言われており,尿道温度および直腸温度がそれぞれ45.O℃,42.5℃以下になる工夫がされている.治療後の組織所見より温熱による細胞および間質の凝固壊死がおこっており,腫瘍細胞への直接傷害作用が期待されている."PRIMUS"を用いての自験例および文献的考察より,前立腺疾患の治療の1つとして温熱療法は安全かつ有用なものと考えられた.
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