Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
『ブレーメンの音楽隊』―障害者の自助グループ
高橋 正雄
1
1東京大学医学部精神衛生・看護学教室
pp.1083
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107513
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グリム童話に収められている『ブレーメンの音楽隊』(金田鬼一訳,岩波文庫)は,障害を抱えた高齢者の自助活動という観点から見ても興味深い作品である.
物語は,長年「倦まずたゆまず粉ひき場へかよいつめた」ろばが,「いよいよ力がつきて,だんだん仕事の役にたたな」くなったため,飼い主に邪険にされて逃げ出す場面から始まる.ろばは,ブレーメンに行って,市のおかかえ楽隊になろうと考えたのである.
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