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特別企画 薬物依存者に対する精神保健・精神科医療体制
国立精神科医療施設における3つの治療モデル
心に鍵をかける—自助グループとの連携による治療
Social Treatment for Drug Dependence: Therapeutic cooperation with self help group
村上 優
1
,
比江島 誠人
1
,
杠 岳文
1
,
遠藤 光一
1
Masaru MURAKAMI
1
,
Shigeto HIEJIMA
1
,
Takefumi YUZURIHA
1
,
Koichi ENDO
1
1国立肥前療養所
1Hizen National Mental Hospital
キーワード:
Drug dependence
,
Rehabilitation program
,
Self help group
,
DARC
Keyword:
Drug dependence
,
Rehabilitation program
,
Self help group
,
DARC
pp.485-491
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902420
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はじめに
わが国における薬物依存症の治療は,これまで国立下総療養所の小沼らによって中毒性精神病モデルを中心に体系化されてきた6)。薬物依存症の専門医療機関の必要性は国の政策医療として取り上げられていることでもわかるように緊急の課題であるが,現在では国立の専門病棟が1か所で,アルコール症患者を併せて受け入れる病棟を持つ施設を入れても10か所にも満たないのが実情である。
そこで国立肥前療養所では,1995年九州に薬物依存回復者施設であるダルク(Drug Addiction Rehabilitation Center;DARC)が発足したのを契機として,薬物依存の治療体制を整えることになり,アルコール病棟をアルコール・薬物病棟に転換した。さらにそれを機会に,アルコール・リハビリテーション・プログラム(Alcoholism Rehabilitation Program;ARP)に模して薬物依存リハビリテーション・プログラム(Drug Dependence Rehabilitation Program;DRPと略)を整備した。DRPはダルクと密接な関係を有し,自助グループであるNA(Narcotics Anonymous)の発展の影響を受けながら構成されてきた。
ここではダルクにおける回復過程の調査を紹介し,DRPの内容,治療期間,ダルクなどの社会資源や司法との連携について検討し,DRPを利用した入院患者のプロフィールを紹介する。我々はこの試みを既存のアルコール病棟の機能に加えて,薬物依存症の治療を提供する医療のモデルとしたい。
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