あなたのなかの現代
<言葉>のかげに<銃口>—州兵隊と機動隊の意識構造
鈴木 均
pp.118-119
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917540
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ケント大デモ隊“発砲射殺事件”
オハイオ州ケント大学で,ニクソンのカンボジア進攻政策に反対してデモ中の学生に州兵隊が発砲し,男子,女子学生二人ずつ計4人の青年が射殺されるという事件が発生した。州兵隊のデルコルソ隊長は,“近くの屋根からそ撃者が発砲したから”というふうに,彼らの行為をジャスティファイしようとしたが,この隊長の発言を裏づける証人はだれもみあたらなかった。
太平洋を越えたケント大学の“発砲射殺事件”の真相をただすスベを,少なくとも私はもっていない。読者諸姉もまたそうであろう。それはわが国内においてさえも同じことであった。樺美智子を殺し,山崎博昭を殺した犯人さえも,いまだに判明していないところをみれば,4人を射殺した犯人も不明になり,そ撃者の有無についても,確かめることは,おそらく不可能にちがいない。
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