Japanese
English
特集 高齢化社会とリハビリテーション
症例にみる高齢化とリハビリテーションの問題点
書道教師としての職業復帰を実現できた2症例
Two Elderly Stroke Cases who Successfully returned to the Former Job as Teacher of Japanese Calligraphy.
大川 弥生
1
,
太田 喜久夫
1
,
中村 茂美
2
Yayoi Okawa
1
,
Kikuo Ota
1
,
Shigemi Nakamura
2
1帝京大学市原病院リハビリテーション科
2会田記念病院
1Department of Rehabilitation Medicine, Teikyo University Ichihara Hospital
2Aida Memorial Hospital
キーワード:
目標指向的アプローチ
,
QOL
Keyword:
目標指向的アプローチ
,
QOL
pp.835-838
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107458
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
従来一般に高齢者におけるリハビリテーションの望ましい目標は自宅復帰におかれることが多く,職業復帰はほとんど不可能に近いと考えられがちだったように思われる.確かに通常の就業年齢を越えた高齢者においては,定年規定のある公務員,会社員などでの復職は特殊な場合(創業者社長,特殊な能力や資格の持ち主など)を除き不可能で,また技能職(大工,左官,建具師など)では定年はなくとも運動障害が職業復帰の妨げになることが多い.しかし,自営業の中には障害を残した高齢者にとっても復帰が必ずしも不可能でないものが少なくない.従来われわれはQOL(「人生の質」)を重視する「目標指向的アプローチ」1,2)に立って,たとえ高齢者であっても職業復帰の可能性があるものについてはそれを目標としてリハビリテーション・プログラムを行ってきており,目標を達成しえた例も決して少なくない.今回はそのうちから,共に書道教師として復職を達成しえた2例について報告する.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.