視座
書道のすすめ
宮腰 尚久
1
Naohisa MIYAKOSHI
1
1秋田大学大学院整形外科学講座
pp.1
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202523
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私が小学生の頃の習いごとといえば,習字か算盤であった.秋田の田舎で育ったからかもしれないが,周りには学習塾はなく,友達は皆,とりあえず習字と算盤をやっていた.あの頃,学校でも習字の時間というものがあって,担任の先生が皆の作品を,毎月,『書友』という雑誌に投稿してくれた.『書友』では,優秀作品が写真で紹介される.時に自分の作品が『書友』に掲載されるのは誇らしいものであった.学年が進むにつれて,習字は書道となり,書体は楷書から行書,草書へと変化し,習いごとが競技となる.私も片手間ではあったが,高校1年まで書道を続けていた.
その後は現在に至るまで,書道とはまったく縁がなく,体育会系整形外科にどっぷりとつかっていた.当教室には,さまざまなスポーツで一流を極めた選手が多く,学生との試合でも決して負けることがない.そのため,運動ができないと整形外科には入局できないのではという,あらぬ誤解を学生に抱かせてしまっている.しかし残念なことに,2020年からのCOVID-19によって,体育会系整形外科の栄光ある活動は完全に停滞してしまった.
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