Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
脳損傷患者のリハビリテーションの全過程を克明に描いた「心の旅」
二木 立
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.637
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107123
- 有料閲覧
- 文献概要
患者や障害者を描いたアメリカ映画が,近年急増している.アメリカ社会の「家族志向」と「心の時代」を反映していると言われる.しかし,障害者のリハビリテーションの全過程を,障害発生直後の早期リハビリテーションから障害受容にいたるまで克明に描いたものは,この「心の旅」(原題:Regarding Henry)をおいて他にないだろう.しかも,主演は,「スター・ウォーズ」,「インディ・ジョーンズ」シリーズでトップ・スターの座を獲得したハリソン・フォード,とくれば見逃す手はない.
彼が演じるのは,ニューヨークのやり手弁護士ヘンリー・ターナー.冒頭,医療過誤訴訟の被告(病院)側弁護士として登場したヘンリーは,陪審員に対して,病院側に非がないことをとうとうと弁じている.これにより原告側は敗訴に追い込まれ,彼の有能さが改めて賞賛される.私生活でも,美しく若い妻サラ(アネット・ベニング)と聡明な娘に囲まれ,ドアマン,エレベーター・ボーイ付きの最高級のマンションで暮らしている.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.